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  • <刑法各論:論点:放火罪.失火罪><刑事弁護><刑法論点集>
    I2練馬斉藤法律事務所
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    刑事弁護

    刑法論点集

    最終更新2016-09-03 16:13:29



    刑法各論:論点:放火罪.失火罪

    現住建造物等放火罪(108条)、非現住建造物等放火罪(109条)建造物等以外放火罪
    ①所有者の承諾:「現に人が住居に使用し又は現に人がいる建造物」(現住性)等に対する放火が重く処罰されるのは、現住者の生命、身体に対する抽象的危険性がより現実的だからである。したがって、現住者等が承諾している場合には、危険性は高くなく、現住性は否定される。また、建造物等に対する所有権も放棄されているから、「自己の所有に係るとき」(109条2項)と同視でき、109条2項の構成要件に該当すると解する。
    ②現住性:「現に人が住居に使用し」とは、当該建造物等が、日常、人の起臥寝食に利用されるという、建物の性質をいう。したがって、普段寝泊りしている従業員を旅行に連れ出しても、普段起臥侵食に利用されている点に相違はなく、現住性は否定されない。しかし、現住者が殺害された場合は、もはや放火による抽象的危険の発生は非現住建造物と変わらず、現住性は否定される。
    ③「焼損」の意義:放火罪は、「焼損」したとき既遂となる。この「焼損」の意義について、いかに解すべきだろうか。放火罪は第一義的には、財物ではなく、公共の危険を保護しているものと解される。したがって、公共の危険を重視し、火が媒介物を離れて独立して燃焼した時点を「焼損」と解すべきである(最高裁も同様に解される(最判昭和23年11月2日))。
     この他、①建物の重要部分が燃焼を始めた部分とする、燃え上がり説②建物が火力により毀棄罪の程度に損壊した時点とする、毀棄説、③建物の効用が失われた時点とする効用喪失説がある。
    ④難燃性建造物:難焼生の建造物においては、建造物等の独立燃焼をメルクマールにしては既遂が遅すぎるし、反面、建物の一部に過ぎない可燃部分が燃えても、それ以上延焼しないことが明らかに関わらず、既遂にするのは疑問として、効用喪失説が妥当とする見解もある。しかし、例え有毒ガスが生じて危険が発生しても、それが、建造物自体の燃焼に基づかなければ、これを放火の既遂と論じることはできず、判例(東京地判昭和59年6月22日)も、モルタルが剥落したに過ぎない場合を「焼損」に当たらないとする。
    ⑤建造物の一個性:放火の対象となった建造物等に対して、どこまでを一体として現住性を判定すべきだろうか。現住性建造物等に対する放火罪がより重く処罰されるのは、放火に基づく公共の危険の発生がより具体的だからである。そして、建物に延焼の危険性という物理的一体性ないし、全体が一体として起臥侵食に利用されるという機能的一体性が認められれば、具体的な危険の発生が認められる。※判例(最判平成1年7月7日)は、エレベーターに関して、全体との機能的一体性から、現住性を肯定している。
    ⑥建造物の独立性:反対に建物として外観上明らかに一個であっても、当該部分から他の部分への延焼可能性がまったくなく、機能的にも独立している場合、独立した一個の建造物として、現住性を否定しうる。
    ⑦「公共の危険」:109条2項、110条1項は、客体の「焼損」に加えて「公共の危険」の発生を要求する。この「公共の危険」は、人の生命、身体、財産に危険が生じている状態、すなわち、一般人をして他の建造物等に延焼する危険性を感じる程度の状態を指す。
    ⑧公共の危険の認識:109条2項にいう「公共の危険」は処罰阻却事由であり、110条1項の「公共の危険」は加重結果であるとして、故意の対象とならないという見解がある。また、判例も「公共の危険」を故意の対象としていない。しかし、放火罪の公共の危険を保護する性格を重視すべきであって、「公共の危険」は構成要件要素と解する。したがって、故意の内容となる。「公共の危険」を故意の内容とすると、延焼可能性の認識、すなわち、他の客体に対する放火の故意と区別がつかないとする批判もありうる。しかし、一般人が危険を感じ得る状態を発生させる認識、認容と、延焼が実際に生じるであろう事の認識、認容は区別しうる。

    延焼罪(111条)
    延焼罪は、自己所有非現住建造物、自己所有建造物等以外放火罪から、他人所有物へ延焼が生じた場合の結果的加重犯である。したがって、「延焼」の認識、認容は不要であり、基本犯たる自己所有非現住建造物、自己所有建造物等以外放火罪と「延焼」との間に因果関係が認められれば足りる。

    未遂、予備
    放火罪で未遂及び予備が処罰されるのは、現住建造物等放火(108条)および、非現住建造物等放火(109条1項)の場合に限られる(112条、113条)。

    失火罪(116条)
    失火罪においても、自己所有建造物等、ないし、建造物等以外を「焼損」したことに加え、「公共の危険」の発生が要求される(116条2項)。






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    刑法各論:論点:強姦致死罪・強姦致傷罪

    ・強姦致死、致傷と故意:強姦犯人が殺人の故意をもって被害者を殺害した場合、強姦致死罪一罪とされるのか。また、強姦犯人が傷害の故意をもって被害者を傷害した場合、強姦致傷一罪とされるのか。


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    詐欺罪・恐喝罪 ・詐欺罪 ①「欺」く行為(欺罔行為):詐欺罪の実行行為は、人を錯誤に陥れる行為である。この、欺罔行為足りうるかは、客観的に判断される。  注1)したがって、相手方が


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    刑法各論:論点:財産犯:背任罪

    ①背任罪:背任罪は、「他人の…事務を処理する者」(構成身分)が、図利加害目的(主観的超過要素)で、「任務に背く行為」(実行行為)をし、「財産上の損害」(構成要件結果)を与えたときに、既遂となる(24


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    刑法各論:論点:財産犯:盗品等に関する罪

    ・盗品等に関する罪 ①盗品等に関する罪の処罰根拠:「財産に対する罪…によって領得された物」を無償又は有償で譲り受け、運搬、保管し、または、有償処分のあっせんをしたものは罰せられる(256条


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    刑法総論:論点:違法性:違法性一般

    違法性 ①形式的違法性と実質的違法性:構成要件に該当し、形式的に法に違反することを、形式的違法性という。これに対して、行為が全体的な法秩序に実質的に違反することを、実質的違法性という。


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    刑法総論:論点:共犯:教唆・幇助の諸問題

    教唆・幇助の諸問題 ①過失による教唆・幇助:過失によって、正犯の実行行為を容易にし、または、正犯に実行意思を生じせしめたような場合である。この場合、「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」(


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    刑法総論:論点:違法性:正当防衛

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    刑法総論:論点:実行行為:不真正不作為犯

    不真正不作為犯 ①不真正不作為犯の実行行為:不作為の形での犯罪実行が、形式上作為の形で記載された構成要件の実行行為に該当すると評価できるだろうか。この点、刑法は、形式上作為形態で記載してい


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    刑法総論:論点:実行行為:間接正犯

    間接正犯 ①正犯:正犯とは、自ら犯罪を行った者をいう。 ②間接正犯:したがって、正犯とは、原則として自ら直接法益侵害を行った者をいう。しかし、直接法益侵害を行った者が、事情を把握


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    刑法総論:論点:故意

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    刑法総論:論点:故意:錯誤

    錯誤論 ①事実の錯誤:事実の錯誤とは、行為者の認識した犯罪事実と、客観的に存在する犯罪事実が食い違っている場合をいう。この場合、行為者に犯罪事実の表象が欠け、故意が認められないのではないか


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    刑法総論:論点:違法性:正当防衛:過剰防衛・誤想防衛

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    刑法各論:論点:賄賂の罪

    賄賂の罪 ①賄賂罪の保護法益:賄賂罪の保護法益をいかに解すべきだろうか。この点、職務の公正そのものを保護法益とする見解もある(純粋説)。しかし、賄賂罪において、職務の不正は加重類型とされる


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    刑法各論:論点:自殺関与罪・同意殺人罪

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    刑法総論:論点:責任:原因において自由な行為

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    期待可能性 ①期待可能性:責任は、行為者に対する非難可能性である。この内容としては、規範の問題を理解できたことや、規範の理解にしたがって行動する能力を有していたこと(以上責任能力)、規範の


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    刑法各論:論点:遺棄罪

    遺棄罪 ①保護法益:遺棄罪の保護法益は、生命、身体の安全である。身体の安全については、保護法益とされていないとの見解もある。しかし、重大な身体への危険(後遺症が残る場合など)は、生命侵害と


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    カテゴリー[刑事弁護]記事一覧

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