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    刑事弁護

    刑事訴訟法論点集

    最終更新2016-09-03 17:10:46



    刑事訴訟法:論点:証拠法:関連性

    関連性

    ①関連性:訴訟法は、証拠能力が否定される場合を法定しているが、規定が無くとも解釈上証拠能力が制限される場合がある。ⅰ最低限の証明力を欠く場合(事実的関連性)や、ⅱ証明力が認められるとしても、誤った心証形成を招くおそれがある場合(法的関連性)、さらにⅲ適正手続きの観点から証拠とできない場合(証拠禁止)がある。
     注1)ⅰの例として起訴状、弁護人の弁論を記載した書面などの、意思表示文書が挙げられる。表意者の意思に、事実認定の証拠たる証明力は認められない。
     注2)ⅱの例として単なるうわさや、悪性格の立証が挙げられる。
     注3)ⅲの例として、違法収集証拠排除法則がある。

    ②悪性格の立証:前科や余罪に、証拠能力は認められるだろうか。前科や余罪は、裁判官に不当な偏見を与え、事実認定を誤らせるおそれがあるため、問題となる。この点、ⅰ.前科や常習性が構成要件要素となっている場合、ⅱ.前科や余罪が公訴事実と不可分に関連している場合は、前科や余罪は当該事案解明に欠かせない証拠となる。また、ⅲ.同種前科によって故意などの主観を推定する場合には、偶然の法理によって悪性格の立証を経ることなく主観を推認できる。さらに、ⅳ.特殊な手口の前科、余罪によって犯人と被告人の同一性を立証する場合も、高い証明力が認められる。したがって、以上の例外的な場合は、事実認定を誤らせるといえず、前科、余罪も証拠とできる。
     注1)もっとも、ⅲ.に関しては、客観的犯罪事実が証明されていることを条件とする留保が付されている(最決昭和41年11月22日-64事件)。
     注2)余罪を実質的に処罰する趣旨で量刑の資料とすることは許されない。しかし、余罪から判明する被告人の動機、性格、犯罪の方法、目的などを量刑の資料とすることは認められる(この場合、量刑資料の立証に用いる以上、厳格な証明の対象とならず、余罪にも証拠能力が付与される)。

    ③科学的証拠:科学的証拠については、いまだ社会的に認知されていない手法が用いられるため、最低限の証明力を認め得るのかが、問題となる。一般的にはⅰ.当該手法の科学的裏づけ、ⅱ.検査主体の適格性、ⅲ.検査方法の相当性(検査器具の妥当性を含む)、ⅳ.情報の正確な反映を考慮して、自然的関連性の有無が、決定される。
     ③-①ポリグラフ検査:判例(最決昭和43年2月8日)は、ポリグラフ検査結果回答書について、各書面は検査者が検査結果を忠実に記載したものであり(ⅳ)、検査者は検査に必要な技術と経験を有する適格者であり(ⅱ)、各検査に使用された器具および操作技術からみて検査結果は信頼できる(ⅲ)とした原審を、是認した。
     注1)原審は、326条1項にいう、「相当性」の判断において、上記判示をしめしたように思われる。したがって、一般的な関連性の判断とは異なる。
     ③-②DNA鑑定:判例(最判平成12年7月17日-73事件)は、DNA鑑定はその理論的根拠が正確性を有し(ⅰ)、技術を習得した者により(ⅱ)、信頼される方法で実施された場合(ⅲ)には、証拠能力を肯定できるとした。
     ③-③声紋鑑定:判例(東京高判昭和55年2月1日-74事件)は、声紋鑑定について、いまだ科学的に承認されたといえない(ⅰ)から、証拠能力を認めることには慎重でなければならないとしながら、実施者が適格者であり(ⅱ)、器具の性能、作動も正確で、結果が信頼性あるものと認められるとき(ⅲ)には、その忠実な報告(ⅳ)に、証拠能力を肯定しうるとした。
     ③-④筆跡鑑定:判例(最決昭和41年2月21日-75事件)は、筆跡鑑定について、経験と勘に頼るところがあり証明力に限界がある(ⅰ)としながら、経験が豊富な鑑定人(ⅱ)の、経験に裏打ちされた判断(ⅲ)は、単なる主観を超えるものであり、証拠として採用するかは裁量に属するとした。
     ③-⑤臭気選別:判例(最決昭和62年3月3日-76事件)は、臭気選別について、知識と経験を有する指導手(ⅱ)が、臭気選別に優れ、体調も良好な警察犬を利用して(ⅲ)、臭気の採取、保管、臭気選別の方法にも不適切な点がない(ⅲ)以上、有罪認定の用に供しうるとした。






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