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刑事訴訟法:論点:裁判:一事不再理

一事不再理

①一事不再理効:確定判決を経た場合、判決で免訴を言い渡さなければならない。この趣旨は、憲法39条後段に規定された、二重の危険の禁止に由来すると解される。すなわち、何人も「同一の犯罪について、重ねて刑事上の責任を問われない」ことから、同一の犯罪について、2度以上有罪を受ける危険のある刑事訴訟には、晒されない。一事不再理効は、確定判決が有する後の裁判に対する拘束力である(訴訟法説)。
注1)したがって、確定判決が後の裁判を拘束する範囲が問題となる。

②一事不再理効の及ぶ範囲:では、確定判決に一事不再理効が生じるのは、どの範囲だろうか。後の裁判が免訴されるべき範囲が問題となる。この点、一事不再理の根拠は何人も同一事件について、2度の有罪の危険に晒されない点にある。そして、刑事訴訟の審判対象たる、検察官が構成した訴因事実は、公訴事実の同一性の範囲で変更が可能であり、有罪の危険性も公訴事実の同一性の範囲内で生じているものと考える。したがって、一事不再理効は、確定判決により認定された事実(335条1項)と公訴事実の同一性が肯定される範囲で、生じると考える。
注1)人的範囲は、訴追された被告人の範囲に限られる。すなわち、公訴の効力は被告人にしか及ばない(249条)から、有罪の危険にさらされたのは当該被告人にだけである。

③審判不可能だった事項と一事不再理効:確定判決を経た訴因から、告訴を得られなかった親告罪が省かれていたり、未だ発生していない結果が省かれていた場合でも、一事不再理効を生じるだろうか。この点、親告罪の場合は、告訴がなされ、訴追される危険性はあったといえるから、一時不再理効が生じるものと解される。反面、未だ犯罪結果が発生していなかった場合は、同時訴追不可能であって、一事不再理効は生じないものと解される。

④一事不再理効の時間的限界:事実審理の可能性のある最後の時(第1審の判決言い渡しまたは、上訴審の判決言い渡しのとき)以降に生じた事由についても、公訴事実の同一性の範囲内であれば、一事不再理効が生じるだろうか。この点、事実審理の可能性のある最後の時以降に生じた事由については、審理の対象とされず、有罪の危険性が及んでいない。したがって、公訴事実の同一性の範囲内でも、事実審理の可能性のある最後の時以降に生じた事由には、一事不再理効は生じないものと解する(一事不再理効の時的限界)。
注1)たとえば、継続犯における結果の発生や、常習一罪を構成する犯罪事実が、判決言い渡しの後に発生した場合である。

⑤一事不再理効の範囲の基礎:では、事実審理の可能性のある最後の時より前に確定判決を経た訴因と常習一罪の関係にある犯罪が行われた場合、当該訴因が単純一罪として起訴されていても、一事不再理効は、生じるのだろうか。公訴事実の生じる範囲を、訴因を基礎として決定するのか、裁判所の心証を基礎に決定するのか、問題となる。この点、刑事訴訟の審判対象は、検察官の構成した犯罪事実たる訴因と解される。よって、訴因を基礎に判断すべきである。したがって、検察官が訴因に常習性をなんら示していない場合、当該訴因から常習性を認定して一事不再理効の生じる範囲を画することは相当でない。以上から単純一罪で起訴された訴因については、これと常習一罪の範囲で、一事不再理効が生じると解することはできない(最判平成15年10月7日)。

⑥免訴と一事不再理効:免訴判決は、形式的に確定すると一事不再理効を生じる。この趣旨は、免訴判決が刑罰権の消滅を宣言する形式裁判であることから、政策的に認められた効力と解される(形式裁判説)。
注1)免訴判決が、実体判断に関係することから、一事不再理効を生じるとする見解(実体関係形式裁判説)もある。しかし、実体判断に関係するのは、免訴の場合に限られない。

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