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  1. 刑事弁護
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刑法各論:論点:財産犯:背任罪

①背任罪:背任罪は、「他人の…事務を処理する者」(構成身分)が、図利加害目的(主観的超過要素)で、「任務に背く行為」(実行行為)をし、「財産上の損害」(構成要件結果)を与えたときに、既遂となる(247条)。なお、背任行為を行ったに過ぎない場合は、未遂となる(250条)。

②「任務に背く行為」:任務に背く行為について以下に解すべきだろうか。この点、法的代理権の濫用となる場合を任務違背と解する見解もあるが、対外的な法的権限の濫用に限る点で狭きに失する。したがって、対内的行為に関する権限、事実上の権限の濫用も含んだ信義誠実義務違反行為を、背任行為と捉えるべきである(背信説)。

③図利加害目的:背任罪の成立には図利、加害目的が必要とされる。もっとも、本人に対する損害発生は構成要件要素とされ加害の認識は故意の内容をなす。そこで、加害目的の内容を故意との区別の点で、如何に解するかが問題となる。この点、図利・加害目的が要求されるのは、本人のためにした行為を処罰から除く趣旨である。したがって、加害目的は、本人への損害発生を認識していても、本人のために行う意図を有していた場合、否定される心理状態と解する。
注1)また、図利目的も同様に主に本人のために行う意図を有していれば、否定され、主に第三者の利益を図る意図であれば肯定される。
注2)以上のように、図利加害目的は、本人のための行為を処罰範囲から除く媒介としての、一定の心理状態を指し示す機能概念として把握すべきように思われる。

④財産上の損害:背任罪の構成要件結果とされる「財産上の損害」は、全体財産の減少を指し示す概念として捉えられる。しかし、さらに進んで、経済的損害と捉えるか法的損害と捉えるかは、争いがある。しかし、実社会では債権と金銭の価値は異なり、法的損害概念は妥当でない。経済的損害概念が妥当である。

⑤事務処理者たる身分:自己の事務処理については背任罪は成立しないと解される。したがって、他人の事務処理か否かが問題とされる。たとえば、抵当権を2重に設定したような場合には、自己の事務であるとともに、他人の事務でもあるから、背任罪が成立する。

⑥背任行為の受け手:背任行為の受け手も、非身分者として身分者をして自己の犯罪として法益を侵害しうるから、背任罪の共同正犯に問責できる。しかし、相手方は経済的利益を追求する地位を有し、安易に背任罪の共同正犯として処罰できない。したがって、1‐a.借手が強い力関係を有し、1-b.通常の態様を超えた働きかけを行ったか。2-a.貸し手の任務違背の程度、2-b.その認識。3.借手の得た利益。などを総合的に考慮して、共同正犯として問責できるか決しなければならない。

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