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  1. 刑事弁護
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刑法総論:論点:共犯関係からの離脱と共同正犯の中止

①着手前の離脱:共謀(相手を利用し自己の犯罪として法益侵害を企図する意思を有し、これを相互認識しあっている状態)関係を形成した共犯者が、実行行為前に共謀関係を解消したとして「共同して…実行した」と評せないためには、どのような行為が必要だろうか。この点、共同正犯が一部実行に対して全部責任を問われる根拠は、それぞれが利用、補充しあい、自己の犯罪として法益侵害に因果を及ぼした点にある。そして、実行着手前であれば、ⅰ犯罪からの離脱を表明し、ⅱ明示ないし黙示の了承が得られれば、補充関係は解消され、その者の法益侵害に対する因果の波及は除去されたといいうる。

②着手後の離脱:これに対して、実行の着手後は、共謀に基づく利用補充関係が、法益侵害に向けられた因果の流れとして顕現している。したがって、ⅲ着手した実行行為をすべて中止させ、ⅳ当初の共謀に基づく因果の流れを完全に除去したといえない限り、共謀関係の解消は認められないものと考える。

③共謀の射程:共謀に基づく暴行行為が急迫不正の侵害に対してなされた正当防衛行為である場合、共同者間の共謀は、急迫不正の侵害が止むまでを限度に成立しており、侵害が止んだあとに一部のものが追撃に出た場合、新たに共謀が成立していたかを検討すべきである(最判平成6年12月6日参照)。(すなわち、正当防衛のための行為という特殊性から、共謀の射程は正当防衛の必要性が存在する限度に限定されると解されたものと考えられる。なお、当初の正当防衛行為に関して、正当防衛の成立は個別に検討すべきか、争いがある。)

④共同正犯の中止:共同正犯において中止未遂が成立するには、1.他の共同者の実行行為を阻止するか、あるいは、法益侵害結果の発生を阻止しなければ、真摯な努力は認められないものと解される。

⑤共同正犯からの離脱と中止犯の関係:A:実行着手後に離脱が認められれば、離脱者は結果について帰責されない。したがって、実行着手後ⅰ離脱を表明しⅱ了承されⅲ他の共謀者の実行行為を中止させⅳ当初の共謀による因果の流れを除去したといえる場合、離脱者は未遂の罪責を負うにとどまる。そして、右行為は真摯な中止行為と評価できる。よって、上記行動が、離脱者の「自己の意思」に基づいていれば、中止犯の成立を肯定できる。
B:以上に対して、着手後、離脱が認められない場合、例えば、他の共犯者の実行行為を阻止できなかった場合でも、結果の発生を阻止できれば、中止犯が成立する余地は認められる。すなわち、離脱は実行行為の阻止が要件とされるが、中止犯は、実行行為の阻止ないし、結果発生の阻止どちらかにより、真摯な努力を認めうるからである。さらに中止犯においては、結果がたまたま発生しなかったとしても、真摯な中止行為が認められれば、中止犯が成立する余地は存する。

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