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刑法総論:論点:共犯:教唆・幇助の諸問題

教唆・幇助の諸問題

①過失による教唆・幇助:過失によって、正犯の実行行為を容易にし、または、正犯に実行意思を生じせしめたような場合である。この場合、「罪を犯す意思がない行為は、罰しない」(38条1項)から、犯罪は成立しない。

②過失犯に対する幇助:故意に基づいて、正犯が過失行為に出ることを容易にしたような場合である。この場合、正犯を介した法益侵害結果を惹起しているといえるし、正犯、共犯ともに違法性を認め得、幇助犯として処罰できる。
注1)過失犯に対する教唆は認められないと解する。なぜなら、正犯が故意を有しない以上、犯意を惹起したといえず、「教唆して」(61条1項)の行為類型に当てはまらないと考えられるからである。

③結果的加重犯に対する幇助・教唆:基本犯を幇助し又は教唆し、加重結果が生じたとき、基本犯の従犯として処罰されるのか、加重犯の従犯として処罰されるのか。この点結果的加重犯は、類型的に加重結果を生じる危険性の高い基本犯を犯した点に加重結果を帰責する犯罪類型である。したがって、基本犯を容易にし、または、犯意を生じせしめた以上、加重犯の従犯として処罰されるものと解する。

④片面的幇助・教唆:片面的幇助・教唆とは、正犯が幇助行為、教唆行為を認識していない場合を言う。たとえ正犯が幇助行為、教唆行為を認識していないとしても、正犯の実行行為を容易にし、ないし、犯意を生じせしめることは可能であって、幇助犯、教唆犯の成立は認められる。

⑤不作為による幇助:すべき作為を怠ることによって、正犯の実行行為を容易にすることは可能である。不作為が「幇助」(62条1項)行為と評価されることも、ありうる。もっとも、不作為行為はその消極性から、社会通念上、作為行為ほどの違法性を得がたい。したがって、作為と同視できるほど違法性が高い場合にのみ、処罰が肯定される。そして、ⅰ作為義務が観念でき、ⅱ作為が可能、容易であった場合に、作為と同視できるものと解する。
注1)作為義務の内容として、法益侵害を防ぐ義務たる保護義務と、実行行為を阻止する義務たる結果防止義務の2種類を分類して捉える立場がある(東京高判平成11年1月29日参照)。
注2)不作為による幇助は、正犯が作為でも、不作為でも問題となりうる。正犯が作為である場合は、不作為に基づく加功が、不作為による幇助か、不作為に基づく実行行為か、共謀共同正犯かが問題となると思われる。この場合、共謀が認められれば共謀共同正犯である。共謀が認められない場合には、不作為による幇助か、不作為による実行行為かが、作為義務の内容及び、正犯意思の有無で判定され得る。

⑥不作為犯に対する幇助・教唆:不作為による正犯の実行行為を容易(作為に出ることを困難にする)にし、また、犯意を生じせしめる(作為に出ないことを決意させる)ことは可能であって、不作為犯に対する幇助、教唆犯も、認められる。
注1)正犯が不作為犯である場合に、不作為犯に対する加功が、不作為犯に対する幇助犯と評価されるのか、不作為に基づく共同正犯と評価されるのか、問題となりうる。しかし、不作為に基づく共同正犯においては、作為義務の無い者でも正犯と評価しえ、結局両者の区別は、共謀の有無による。なお、共謀が認められない場合に、作為義務の内容及び、正犯意思の有無から、不作為よる不作為犯に対する幇助とも、単独の不作為犯の実行行為とも評価しえるのは、同様である。

 

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