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刑法総論:論点:因果関係

因果関係

①因果関係:構成要件的結果が発生しても、それが行為者の実行行為に基づくものでない限り、行為者に結果を帰責できない。

②条件関係:したがって、まず、行為がなければ、結果がなかったという、事実上の条件関係が要求される。行為がなくても、結果が生じていたであろう場合は、結果を行為者に帰責できない。そして、第一に、行為というとき、行為は、構成要件に該当する実行行為でなければならない。次に、結果として把握されるのは、抽象的な法益侵害結果でなく、具体的に生じた法益侵害結果である。実行行為を除いても、現に生じた当該具体的な法益侵害が、やはり、生じていたと言い得る場合にのみ、条件関係が否定されるのである。第三に、仮定的事情として付加されるのは、具体的実行行為がなかったならば、という仮定のみである。これ以外に、具体的に予想される行為などを付け加えることは許されない。
注1)不作為犯においては、作為義務により期待される作為を行っていれば、具体的に生じた結果が回避されたといい得る場合にのみ、因果関係が肯定される。期待された作為を行っても結果が発生した場合は、結果を帰責できない。
注2)条件関係が否定される場合に、因果関係の断絶がある。実行行為が一定の結果発生に向けて進行している途中に、まったく別個の因果の起点が生じ、異なった具体的結果を発生させてしまった場合である。この場合、当該結果は、当初の実行行為から進行した因果のゴールたる結果とは異なる。また、実行行為とは別個の因果の流れにより生じているから、実行行為を除いても発生したといえ、条件関係が否定されるのである。条件関係を肯定した上で、因果関係の不存在を導く、因果の中断の理論とは区別されなければならない。すなわち、因果の中断は、条件関係は認められるが、一定の事情が因果の進行に介入した場合に、因果関係の存在を否定しようとする。

③択一的競合:複数の行為が奏効して、結果を発生させた場合、如何に解すべきだろうか。
③-①:一方が結果を発生:結果を発生させた行為と、結果との条件関係は肯定される。反面、もう一方の行為は、因果関係の断絶により、条件関係を否定される。
③-②:双方が結果を発生:双方の行為の相乗効果として、結果が発生した場合である。どちらの行為を除いても、具体的な結果は生じなかったといえるから、双方の行為と結果との因果関係が肯定される。
③-③:結果を発生させた行為が不明:具体的結果を生じせしめた行為が、どちらか一方の行為であるのか、そうであるとすれば、どちらの行為か、あるいは双方の行為が結果を生じさせたのか、不明のケースである。この場合、双方の行為を取り除けば、当該結果が発生しなかったことは確かであり、原則どおり条件関係を認めないのは、不当である。よって、条件公式を修正して、双方の行為を除いたとき、結果が生じなかったといえる場合は双方の行為と結果との間に、因果関係が肯定できるものと考える。

④因果関係の限定:条件関係が認められても、因果関係を否定すべき場合があるのではないかが、議論されている。たとえば、異常な介在事情が存在するが、因果関係の断絶までは認められず、条件関係が認められるとして、それだけで結果まで帰責するのは、妥当でないとも思われる。この点、因果関係は結果を行為者に帰責できるかの問題であり、当該結果を帰責するのに、条件関係だけでは足りず、帰責が妥当な範囲に規範的な評価に基づいて、法的限定を加えるべきである。そして、結果を行為者に帰責するのが妥当な場合とは、実行行為により発生した法益侵害の危険性が、現実化し、実際に法益侵害結果を惹起したといいうる場合である。したがって、ⅰ.実行行為に存在する結果発生の確率、ⅱ.介在事情の異常性、ⅲ.介在事情の結果への寄与度、を考慮して、行為の危険性が、結果に現実化したといいうる場合にのみ、因果関係を肯定すべきと考える。

 

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