被害者のいる犯罪における捜査段階の弁護方針

犯罪には被害者のいるものが多く存在します。

例えば、窃盗、詐欺、恐喝、横領などの財産犯、暴行、傷害、強制わいせつ、強姦、など、様々な犯罪において被害者が存在することになります。

基本的に被害者のいない犯罪というのは、覚せい剤自己使用などの薬物犯罪、その他公益を保護する法律などに限られます。痴漢や盗撮も迷惑防止条例違反という公益を保護する犯罪類型ですが、実務では痴漢や盗撮を受けた相手方と示談交渉をすることになります。

このような被害者が存在する犯罪については、(犯罪を行ってしまったことに争いがないのであれば、)捜査段階においても公判段階においても被害者と示談をするということが一つの重要な弁護方針になり得ます。

特に、捜査段階においては、早急に示談(して被害届、告訴の取下げを)してもらうことで事件の検察庁送致を防ぐ、検察官の公判請求を防ぐ、など、早ければ早いほど有利な状況をつくっていくことが出来ます。

被害者のなかには弁護人をとおしての示談交渉には応じるという方もいます。また、犯罪被害に関する和解交渉、和解契約の締結においては弁護士を介入させることで適切な示談金額を適切な方式で合意できる可能性が高まってきます。

このように、被害者のいる犯罪について捜査機関から嫌疑をかけられ、かけられている嫌疑が実際に行ってしまった犯罪である場合、早期に弁護人を選任して示談交渉を開始することで逮捕勾留、公判請求など刑事手続きが本格する前に解決に至るケースもあります。