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法人破産について

破産申立の必要性

法人はそもそも任意に解散することで法人格を消滅することが出来ます(代表的な営利法人である株式会社について会社法471条)。
では、法人について破産申立は、どの様な場合に申し立てる必要があるのでしょうか。

例えば株式会社は、解散後清算人を就任させて清算手続きを行わなければなりません。
このとき、債務超過の会社においては、財産をすべて処分しても会社債権者に債務を支払えないことになります。
会社債権者が任意に債務を免除するなどの手続きを採ってくれれば問題ありませんが、仮に会社債権者が債務を免除してくれない場合、法的には債務が残存し清算がいつまでも終了しないことになります。
そこで、裁判所による力添えの元、公的に会社を清算するために、破産申立を行う必要性が生じてきます。裁判所関与の破産手続においては会社財産をすべて配当してなお債務が残存する場合、手続を廃止し、公的に法人の清算を結了します。

破産手続開始原因

破産法では、合名会社及び合資会社以外(破産法16条2項)の法人については、支払不能(破産法2条11項)のみならず債務超過も破産手続開始原因になるとされています(破産法16条1項)。

破産手続申立書面

破産手続開始の原因があれば、裁判所に破産手続を申し立てることが出来ます。
破産手続の申立は最高裁判所規則で定める事項を記載した書面でしなければなりません(破産法20条1項)。

東京地裁民事20部では、破産手続開始申立書、取締役の同意書(破産法19条1項2号参照)、3ヶ月以内に発行された履歴事項全部証明書、代理人が破産申立をする場合は代理人に向けた委任状、支払不能、債務超過等の疎明資料、報告書などの添付を要求しています。

資産目録

資産目録には、会社等の法人資産を記載して提出しなければなりません。
法人資産は、東京地方裁判所民事20部の書式では、最も近い決算期末日乃至は最も近い試算表に基づいて基準日を設定し、当該基準日における簿価を記載します。また、基準日とは別に、申立時点の回収見込み額も記載しなければなりません。

通帳

東京地方裁判所では、通帳は2年分コピーを提出し、原本を破産管財人に引き継くことが求められています。また、預貯金目録を作成して、目録作成日の残高、回収見込み額、銀行による相殺の見込みなどを記入することが求められています。
なお、通常法人は銀行などの金融機関から事業資金の借り入れをし、また、事業資金を金融機関に預金していることがほとんどです。そこで、金融機関による相殺の処理の利益と、破産申立に必要な資金確保の要請から、定期などの預金は残しつつ、普通預金などの流動性のある預金は移動するなどの処置を講じる必要がある場合も存します。

関連会社一覧表

破産申立法人、例えば破産申立株式会社と役員を共通にするなど関連会社の一覧表を作成して提出することが求められています。

未回収売掛金目録等

受取手形・小切手の一覧表、未回収の売掛金がある場合は未回収売掛金目録、有価証券や保険加入がある場合それぞれ、有価証券目録、保険目録を記載して提出することが東京地方裁判所では求められています。

債権者一覧表

法人破産の場合は、個人破産と違って、債権者が多岐に渡るケースが殆どです。
債権者は、公租公課(国や地方自治体などを債権者とするもの)、労働者(従業員など雇用債権を有する債権者など)、金融機関、リース業者、そして一般債権者に分類され、それぞれの債権者の名称、住所などを記載して裁判所に一覧を提出する必要があります。
特に取引を続けてきた仕入先などについては、破産の申し立てを行う事実は必要な時(原則として破産申立時。)まで伏せるとしても、必要最低限の仕入に抑制するなど一定の配慮が必要な場合もあります。

従業員との関係について

法人が破産する以上、法人従業員は早晩解雇しなけれななりません。問題は、解雇の時期です。破産申立前に形成が予測される破産財団の額が、財団債権の全額であるような場合でなければ、申立代理人の元、破産手続開始決定前に解雇を行うべき場合も認められます。
未払い賃金については、未払い賃金立て替え制度があります。未払い賃金立て替え制度は、労働者健康福祉機構が行う、企業破産等の際の未払い賃料の一定額の立て替え払い制度です。制度の詳細は、機構ウェブサイトで確認することができます。

破産申立にあたっての注意事項

破産手続開始申立によって、原則的に破産者の財産は破産財団(破産法34条1項)となります。破産財団を構成する会社の財産や会社が負っている負債は必ず全て正直に開示しなければなりません(破産法41条、同269条)。破産手続開始よって法人は解散されることになります(株式会社について会社法471条等)が、法人格は存続するものとみなされます(破産法35条)。法人破産においては破産管財人が選任され、破産財団の管理を専権的に行います(破産法78条1項)。また、郵便物も破産管財人に転送されることになります(破産法81条1項)。

否認され得る行為(破産法160条)

1項1号
主観的に債権者を害すると認識しながら行った行為は、いつの時点(2号との対比において)の行為であっても、後に管財人から否認される可能性があります。
1項2号
破産開始後、或いは支払停止後に客観的に債権者を害すると評価される行為を行った場合はすべて、管財人から否認される可能性があります。
3項
支払停止から半年前以降に行った無償行為(これと同視し得る行為を含む)は管財人から否認される可能性があります。

破産管財の場合の予納金(東京地裁本庁の場合)

小額管財 200,000円

通常管財の場合

負債額、予納金
5000万円未満 700,000円
5000万以上1億円未満 1,000,000円
1億以上5億円未満 2,000,000円
5億以上10億円未満 3,000,000円
10億以上50億円未満 4,000,000円
50億以上100億円未満 5,000,000円
100億以上250億円未満 7,000,000円
250億以上500億円未満 8,000,000円
500億以上1000億円未満 10,000,000円
1000億円以上 10,000,000円以上

刑事罰

破産法にはおいて特に下記の刑罰などが制定されています。言うまでもないことですが刑罰法規において国家に禁圧されている行為は厳に慎まれなければなりません。

詐欺破産罪(破産法265条)

債権者を害する目的で行う財産の隠匿、損壊、財産の譲渡又は債務負担の仮装、財産の現状の改変による価格の減損、財産の不利益処分乃至不利益な債務の負担行為を行った上で、破産手続きの開始が確定したとき、詐欺破産罪の罪責に問われる可能性があります。

特定債権者担保供与罪(破産法266条)

他の債権者を害する目的で特定の債権者に対する債権に担保を供与するなどした場合、刑事罰を科される可能性があります。

説明、検査拒絶、重要財産開示拒絶、業務財産状況隠匿等

裁判所や管財人から求められた説明や情報開示などを拒みあるいは、帳簿などを隠匿、偽造、変造して破産申立をした場合などは、刑事罰を科される可能性があります。破産申立においては財産状況、負債状況を包み隠さず正直にすべて開示し、虚偽の記載や情報の隠匿などは厳に慎む必要があります。

 

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