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交通事故損害賠償請求における遅延損害金の起算点

交通事故事件における損害賠償請求は、一般不法行為を定めた民法709条、あるいは人身傷害については自動車損害賠償責任を定めた自賠法3条などを根拠に請求するのが一般的です。

では、交通事故被害者の損害賠償請求について、遅延損害金の起算はいつの時点となるのでしょうか。

この点は、最高裁判例が蓄積している分野です。

昭和37年 9月 4日最高裁第三小法廷判決(昭和34年(オ)117号 損害賠償請求事件)

上記判例は、「被上告人らが上告人の不法行為によりこうむつた損害の賠償債務の履行およびこの債務の履行遅滞による損害金として昭和三一年一月二二日以降年五分の割合による金員の支払を求める訴訟であることが記録上明らかである。そして、右賠償債務は、損害の発生と同時に、なんらの催告を要することなく、遅滞に陥るものと解するのが相当である」と判示し、遅延損害金の起算日における不法行為時起算を確立した最高裁判所判例としてよく知られています。

昭和58年 9月 6日最高裁第三小法廷判決 (昭和55年(オ)1113号 損害賠償請求事件)

さらに、昭和58年最高裁判例は、下記の通り判示しました。なお下線部は弊所によります。

「不法行為の被害者が自己の権利擁護のため訴えを提起することを余儀なくされ、訴訟追行を弁護士に委任した場合には、その弁護士費用は、事案の難易、請求額、認容された額その他諸般の事情を斟酌して相当と認められる額の範囲内のものに限り、右不法行為と相当因果関係に立つ損害であり、被害者が加害者に対しその賠償を求めることができると解すべきことは、当裁判所の判例(最高裁昭和四一年(オ)第二八〇号同四四年二月二七日第一小法廷判決・民集二三巻二号四四一頁)とするところである。

しかして、不法行為に基づく損害賠償債務は、なんらの催告を要することなく、損害の発生と同時に遅滞に陥るものと解すべきところ(最高裁昭和三四年(オ)第一一七号同三七年九月四日第三小法廷判決・民集一六巻九号一八三四頁参照)、弁護士費用に関する前記損害は、被害者が当該不法行為に基づくその余の費目の損害の賠償を求めるについて弁護士に訴訟の追行を委任し、かつ、相手方に対して勝訴した場合に限つて、弁護士費用の全部又は一部が損害と認められるという性質のものであるが、その余の費目の損害と同一の不法行為による身体傷害など同一利益の侵害に基づいて生じたものである場合には一個の損害賠償債務の一部を構成するものというべきであるから(最高裁昭和四三年(オ)第九四三号同四八年四月五日第一小法廷判決・民集二七巻三号四一九頁参照)、右弁護士費用につき不法行為の加害者が負担すべき損害賠償債務も、当該不法行為の時に発生し、かつ、遅滞に陥るものと解するのが相当である。なお、右損害の額については、被害者が弁護士費用につき不法行為時からその支払時までの間に生ずることのありうべき中間利息を不当に利得することのないように算定すべきものであることは、いうまでもない。」

なお、上記昭和58年最高裁判例で引用される「最高裁昭和四三年(オ)第九四三号同四八年四月五日第一小法廷判決・民集二七巻三号四一九頁」は「本件のような同一事故により生じた同一の身体傷害を理由とする財産上の損害と精神上の損害とは、原因事実および被侵害利益を共通にするものであるから、その賠償の請求権は一個であり、その両者の賠償を訴訟上あわせて請求する場合にも、訴訟物は一個であると解すべきである」と判示しています。

平成 7年 7月14日最高裁第二小法廷判決 平成4年(オ)685号 損害賠償請求事件

上記最高裁法理は、平成7年最高裁判決でも踏襲されています。なお下線部は弊所によります。

すなわち、平成7年最高裁判決は「不法行為に基づく損害賠償債務は、損害の発生と同時に、なんらの催告を要することなく、遅滞に陥るものである(最高裁昭和三四年(オ)第一一七号同三七年九月四日第三小法廷判決・民集一六巻九号一八三四頁参照)。そして、同一事故により生じた同一の身体傷害を理由とする損害賠償債務は一個と解すべきであつて、一体として損害発生の時に遅滞に陥るものであり、個々の損害費目ごとに遅滞の時期が異なるものではないから(最高裁昭和五五年(オ)第一一一三号同五八年九月六日第三小法廷判決・民集三七巻七号九〇一頁参照)、同一の交通事故によつて生じた身体傷害を理由として損害賠償を請求する本件において、個々の遅延損害金の起算日の特定を問題にする余地はない。また、上告人が損害額及びこれから控除すべき額を争つたからといつて、これによつて当然に遅延損害金の請求が制限される理由はない。したがつて、本件においては、損害発生の日すなわち本件事故の発生の日からの遅延損害金請求は認容されるべきであつて、事故発生日から訴状送達の日までの遅延損害金請求を棄却すべきものとした原判決には、法令の解釈適用を誤つた違法があり、右違法は原判決の結論に影響を及ぼすことが明らかである」と判示しています。

交通事故損害賠償遅延損害金の起算点

以上のとおり、交通事故損害賠償請求における遅延損害金の起算点は、特段の事情のない限り、事故日以降に発生したものでも、交通事故日を起算点として請求できることになります。

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