短期消滅時効

消滅時効

権利は一定期間行使しないことによって、消滅します。これを消滅時効と言います。

例えば、債権等の場合、短期消滅時効は「権利を行使することができることを知った時から五年間」などと定められています。

そして、これより短い期間が定められている場合があります。短期消滅時効と言って注意が必要です。

債権等の消滅時効

1 債権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 債権者が権利を行使することができることを知った時から五年間行使しないとき。
二 権利を行使することができる時から十年間行使しないとき。
2 債権又は所有権以外の財産権は、権利を行使することができる時から二十年間行使しないときは、時効によって消滅する。
3 前二項の規定は、始期付権利又は停止条件付権利の目的物を占有する第三者のために、その占有の開始の時から取得時効が進行することを妨げない。ただし、権利者は、その時効を更新するため、いつでも占有者の承認を求めることができる。

民法第百六十六条 

不法行為による損害賠償請求権の短期消滅時効

民法は不法行為に基づく損害賠償請求権について短期消滅時効の定めを置いています。

条文を見てみましょう。

不法行為に基づく損害賠償請求権は一般的な債権より早く行使しないといけないのでご注意ください!

不法行為による損害賠償請求権の消滅時効

不法行為による損害賠償の請求権は、次に掲げる場合には、時効によって消滅する。
一 被害者又はその法定代理人が損害及び加害者を知った時から三年間行使しないとき。
二 不法行為の時から二十年間行使しないとき。

民法第七百二十四条 

人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効


人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の消滅時効についての前条第一号の規定の適用については、同号中「三年間」とあるのは、「五年間」とする。

民法第七百二十四条の二 

人の生命又は身体を害する不法行為による損害賠償請求権の短期消滅時効は、民法改正によって3年から5年に伸張されています。

こちらも注意が必要ですね!

改正前民法の短期消滅時効

改正前の民法には、定期給付金や弁護士報酬などについて短期消滅時効の定めがありましたが、2020年4月1日施行の民法改正で全て削除されました。

(定期給付債権の短期消滅時効) 第百六十九条

年又はこれより短い時期によって定めた金銭その 他の物の給付を目的とする債権は、五年間行使しないときは、 消滅する。」

(三年の短期消滅時効) 第百七十条

次に掲げる債権は、三年間行使しない ときは、消滅 する。ただし、第二号に掲げる債権の時効は、同号の工事が終 了した時から起算する。

一 医師、助産師又は薬剤師の診療、助産又は調剤に関する債 権

二 工事の設計、施工又は監理を業とする者の工事に関する債 権

第百七十一条 弁護士又は弁護士法人は事件が終了した時から、 公証人はその職務を執行した時から三年を経過したときは、そ の職務に関して受け取った書類について、その責任を免れる。

(二年の短期消滅時効) 第百七十二条

弁護士、弁護士法人又は公証人の職務に関する債 権は、その原因となった事件が終了した 時から二年間行使しな いときは、消滅する。

2 前項の規定にかかわらず、同項の事件中の各事項が終了した 時から五年を経過したときは、同項の期間内であっても、その 事項に関する債権は、消滅する。

第百七十三条 次に掲げる債権は、二年間行使しないときは、消 滅する。

一 生産者、卸売商人又は小売商人が売却した産物又は商品の代価に係る債権

二 自己の技能を用い、注文を受けて、物を製作し又は自己の 仕事場で他人のために仕事をすることを業とする者の仕事に 関する債権

三 学芸又は技能の教育を行う者が生徒の教育、衣食又は寄宿 の 代価について有する債権

(一年の短期消滅時効) 第百七十四条

次に掲げる債権は、一年間行使しないときは、消 滅する。

一 月又はこれより短い時期によって定めた使用人の給料に係 る債権

二 自己の労力の提供又は演芸を業とする者の報酬又はその供 給した物の代価に係る債権

三 運送賃に係る債権

四 旅館、料理店、飲食店、貸席又は娯楽場の宿泊料、飲食料 、席料、入場料、消費物の代価又は立替金に係る債権

五 動産の損料に係る債権

民法(改正(2020年4月施行)前)

施行日である2020年4月1日より前に成立した債権については、旧民法の短期消滅時効の規定の適用がある(附則10条4項)ので、注意が必要じゃ!

(時効に関する経過措置) 第十条 

1 施行日前に債権が生じた場合(施行日以後に債権が生じた場合であって、その原因である法律行為が施行日前にされたときを含む。以下同じ。)におけるその債権の消滅時効の援用については、新法第百四十五条の規定にかかわらず、なお従前の例による。

2 施行日前に旧法第百四十七条に規定する時効の中断の事由又は旧法第百五十八条から第百六十一条までに規定する時効の停止の事由が生じた場合におけるこれらの事由の効力については、なお従前の例による。

3 新法第百五十一条の規定は、施行日前に権利についての協議を行う旨の合意が書面でされた場合(その合意の内容を記録した電磁的記録(新法第百五十一条第四項に規定する電磁的記録をいう。附則第三十三条第二項において同じ。)によってされた場合を含む。)におけるその合意については、適用しない。

4 施行日前に債権が生じた場合におけるその債権の消滅時効の期間については、なお従前の例による。

民法附則(平成二九年六月二日法律第四四号)

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