年末にタコの滑り台事件控訴審判決の記録を閲覧しました

2021年、年末にタコの滑り台事件控訴審判決の判決文を含めた記録を閲覧してきました。

耐えかねて、というのは何のことかというと、発端は判決日の下記ツイートでした。

判決日も、たまたま出廷日だったのですが、最近、出廷日に知財高裁や東京地裁知財部の開廷情報を確認することがあります。裁判もインターネット会議が多くなって、出廷する機会も減り、また、ツイッターでネタになることもあるかと思い、出廷した際は確認するのが癖みたいになっています。

そこで、この日も知財高裁の開廷情報を確認したのですが、その中で、見覚えのある当事者名が。すぐにはピンと来なかったのですが、その後、当事者名を検索して、タコ滑り台事件の控訴審判決だとピンと来たという訳です。

そこで、ツイッターで判決出たみたいですよ、というツイートをしたのですが、それなりに反響がありました。というのも、その1週間後の著作権法学会でタコ滑り台事件がテーマになっていたこともあり、注目度も高い時期だったのです。実際にツイートを見て法廷まで確認に行ってくださった先生もいたようです。

ところが、2−3日でアップされると思っていた判決文が一向にアップされません。

東京地裁知財部の判決文のアップは遅いこともあるのですが、知財高裁は比較的数日でアップされる印象だったので、判決言い渡しじゃなくて口頭弁論だったのかな、見間違いだったのかなと、間違った情報をツイートしたのではないかと、ちょっと不安になっていきました。

それでも2週間経っても判決文がアップされないので、居た堪れなくなり、出廷ついでに記録を閲覧させていただいたという経緯です。

なお、その後程なくしてタコ滑り台事件の控訴審判決判決文が裁判所ウェブサイトにアップロードされています。

タコ滑り台事件の記事

タコの滑り台事件については、記事にしていますので、判決内容については下記リンク先の記事もご参照ください。

閲覧から判明した事実ー「色」は判断の対象外

しかし、冒頭のように記録閲覧してそれを報告するツイートには結構反響があり、結構需要があることがわかりました。出廷日がある場合、今後も記録閲覧をしてくるのもいいかもと思いました。

記録閲覧しないと分からない情報もあります。例えば、タコ滑り台事件の控訴審では記録によると控訴審の第一回口頭弁論期日で、「色」は著作物性の判断対象としないことを控訴人側が回答し、回答内容は調書に記録されています。

わざわざ記録に取ったということは裁判所も「色」はそれなりに創作性に影響を与えるファクターと考えていたのかもしれません。確かに、高裁判決を見ると機能から分離できるのは天蓋部の他、「色」ということになるでしょう。もちろんタコとしてはありふれた配色と言ってしまうこともでき結論には影響はなかったのかもしれませんが、記録を閲覧しないと分からない情報ですし、判決の考察をする上では、それなりに重要な情報だと思います。

そうした面から「出廷ついで」ということが出来る以上、大して負担もかからないので、今後も、たまに記録閲覧しても良いかなと感じました。時間に余裕があればですが準備書面を読んだり立証活動を知るのも勉強にもなると思います。